昼間部 / 3年制
総合デザイン科
大学の4年制でもなく、多くの専門学校が設く2年制でもありません。桑沢デザイン研究所の昼間部は、3年制の独自のカリキュラムを行っています。
3年間をかけて、デザインの基礎の基礎から、社会で役立つ考え方と技術まで、幅広く学んでいきます。
1年次では全員が共通の基礎を学び、眠っている感性を呼び覚まします。2年次からは専門分野に分かれて、それぞれの知識・技術を身につけていきます。そして、3年次にはそれらの応用を積み重ねることで、デザインに必要な観察力・発想力・構成力を豊かに培っていきます。
いまデザイン教育の現場では、即効性だけを重視し、テクニックに力点が置かれています。しかし、いきなり技術を教えることは、デザイナーとしての未来に限界をつくることになりかねません。これからの長い将来へ向けて、デザインの基礎体力を強化することが、今もっとも求められていることなのです。
デザインは「人の暮らしを豊かにするため」にあります。時代がどう変わっても、社会に貢献できるデザインの根本的な力を身につけること。これが〈桑沢〉の理念であり、目指している教育です。
3年間の学習の流れ
●進級時の志望専攻に関して
総合デザイン科では2年次進級時に志望専攻を選択できますが、教育の質を維持するために、2年次進級者最大200名に対して、VD専攻120名、PD専攻40名、SD専攻40名、FD専攻40名以内を目安としています。1年次の成績や出席などを参考に、第2志望以降の専攻へ進級となる場合があります。
1年次 共通課程
「基礎造形」と「基礎デザイン」
二つの基礎を通じ「デザインとは何か」を学ぶ
1年次では専門分野を学ぶ前に、「デザインとは何か」を徹底的に考えていきます。そのためにすべての学生が同じ科目に取り組みます。
デザインには技術だけでなく、それを裏づける論理的な思考が必要です。〈桑沢〉が重視しているのは、「手を動かしながら考える」こと。既成概念を疑い、ものごとを深く観察し、自らの頭で考えることで、新たな発想を生み出す力を身につけていきます。
2・3年次専門課程
4つの専攻から一つを選択し、
具体的で実践的な課題に取り組む
2年次では、1年次に考察を積み重ねた「デザインの基礎」を実践へと発展させて、専門の基盤となる高度な技術の修得を行っていきます。「ビジュアルデザイン」「プロダクトデザイン」「スペースデザイン」「ファッションデザイン」の4専攻からひとつを選択し、知識や技術を本格的に学びます。
さらに、専門課題に沿って制作を進めるデザイン実習がはじまります。ここではリサーチ、企画、プレゼンテーションに至るまで、実際の現場と同じプロセスで制作を進めます。
3年次では、卒業制作に向けた少人数制のゼミナールが中心になります。自らテーマを決め、計画的に遂行する発想力や推進力が求められます。ここで大切なことは「デザインの他者性」です。自分自身の納得や自己満足にとどまることなく、社会的な役割を念頭に、「もの」や「こと」の本質をとらえた思考を練り上げていきます。卒業生作品展では、「デザインとは何か」という時に各自が自力でつかみ取った答えを、3年間の集大成として発表します。
1・2・3年次共通
デザイン学[共通理論]
3年間をかけて問題や探究テーマを見つけ出す
創立者の桑澤洋子が指摘したように、デザインは衆の問題であり、社会の問題です。
ここでは、3年間をかけてデザイナーに欠かせない教養を積み、各専攻分野で習得するデザイン・スキルをどのような問題やテーマに適用するのかを、自分で考えられるようになることを目指します。