卒業生インタビュー
総合デザイン科 ファッションデザイン専攻
2017年卒業
矢尾 麻琴 / ファッションデザイナー
矢尾 麻琴
ファッションデザイナー
- 1995年東京都生まれ
- 2014年東京都立芦花高等学校卒業
- 2017年桑沢デザイン研究所卒業
- 株式会社ベイクルーズ入社
さまざまな分野の同級生と切磋琢磨し、ものづくりに対する情熱を体感する
「Spick&Span」というレディースのブランドで企画デザインを手がけています。仕事の流れとしては、生地の開発からはじまり、世の中のトレンドを汲み取り、シーズンテーマを設定。そこからブランドのフィルターを通して見たときに、どういうアイテム・コーディネートでテーマを表現し、商品にしていくかを考えます。さらに、デザイン画を描いて、生地とともにプレゼンテーション。それが通ったら、シーチングという仮の生地でパタンナーにつくってもらい、着用した上で修正を重ねます。そして、実際の生地でファーストサンプルを仕上げるという工程です。
〈桑沢〉に入りたいと思ったのは、卒業制作展に行ったのがきっかけで、在校生の作品がプロレベルだったことに衝撃を受けました。入学試験があるということは、自分をしっかりと見て、伸ばしてもらえるのだと思いました。1年次にすべての分野におけるデザインの基礎を学べることも魅力的でした。何をやりたいのか漠然としているけれど、手を動かしたいという私にはぴったりだったからです。
デザインとはポスターやパッケージの制作というイメージを抱いていたので、入学当初はビジュアルデザインを専攻することを考えていました。けれども多様な課題に取り組んでいく中で、得意なもの、成果につながったこと、一番のびのびと楽しめる授業などを経験するうちに、ファッションデザインを専攻することに決めました。普通科の高校だったため裁縫をしたことがなく、最初は少し不安でした。でも、ファッション科は人数が少ないので、私のような素人でも質問しやすい環境で、できないことをさらけ出せたのが、とてもよかったです。
〈桑沢〉のファッションデザイン専攻は、デザイン画を描き、プレゼンテーションをする授業が、他の学校と比べてとても多い印象です。おかげで自分の考えを相手に伝えるプレゼンテーション能力が鍛えられました。特に1年次では、他の分野の同級生と一緒に同じ課題を制作するため、それぞれの解釈をその場で聞くことができました。そして、課題が膨大。課題が多いということは、それだけ考えなければいけないことが多いということです。とはいえ考える暇もなく、とりあえず手を動かしながら考えて、また壊しては考えての繰り返し。さまざまな分野の友だちと意見交換しながら切磋琢磨し、朝から晩まで作業をした濃密な日々でした。今、ファッションの仕事をしていますが、ファッションに限らず、ものづくりに対する基礎的な考え方や捉え方、そして情熱を感じられたことは、とてもいい経験になりました。
「Spick & Span」2020春夏コレクション