桑沢の夜間部で
デザインを学ぶ
- 専攻デザイン科/夜間部[2年制]
- 桑沢デザイン研究所の専攻デザイン科って
何を学べるところ?
今までデザインを学んだことがないけど大丈夫?
働きながら学ぶことはできる?
そんな疑問や不安にお答えします。
桑沢の独特なカリキュラムは
創立時の理念を脈々と受け継いでおり、多くの卒業生が
デザインを通じて社会に貢献してきました。
皆さんに桑沢を知っていただくために、
まずは桑沢の歴史をご紹介します。
スマートフォンでは左下のメニューから、お知りになりたい項目へジャンプすることも可能です。
桑沢デザイン研究所は1954 年に
デザイン・ジャーナリストである私、桑澤洋子によって
渋谷に設立された、日本初にして最先端の
デザイン学校です。
開校した当時は夜間部からはじまりました。
当時から夜間部は多様なバックグラウンドを
持った人たちが学んでいて、桑沢と卒業生が
デザインの新しい流れを作ってきた伝統があります。
その空気は現在も変わっていません。
日本で初めて学校名に「デザイン」を刻んだ桑沢が考える
「デザイン」と「デザイナー」ついてご説明します。
デザインを考えるにあたって、私は「デザイン」という言葉を、
次のように定義しました。
デザインとは、
技術や産業のエネルギーを
現在及び将来の
多くの人たちに向けて
実用的機能と精神的機能を
両立した形で
提案する計画である。
この「デザイン」という概念を具現化するために
重要なのは、「デザインと人間」、「社会とデザイン」を
健全に結びつけることであり、デザインの役割とは、
「社会に存在する問題を、具体的な計画的行為で
解決する手段」を創りだすことです。
桑沢ではそうした考えをベースに
カリキュラムを設計しています。
では、社会の抱える問題をデザインで解決するためには、
どのような人材が求められているのでしょうか?
「社会に求められるデザイナー」に必要な資質を、
桑沢では次のように考えています。
社会から求められるデザイナーとは
自分自身のための表現手段や
自己満足にとどまることなく
社会的な役割を念頭に、
「もの」や「こと」の本質をとらえる思考力と
「他者性」の視点を兼ね備えた人材
もちろん、これからデザインを学ぼうと考えている方全員が、
入学の時点でこうした資質をもっているわけでは
ないでしょう。
これらは学んでいくなかで、培われていくべきものであり、
桑沢にはそのためのカリキュラムが用意されています。
そして、それらを学ぶための前提として、桑沢では入学に際し、次のように求めるべき人物像を掲げています。
桑沢のユニークなカリキュラムの原点ともいうべき
二つのキーワードを紹介します。
概念砕き
手を動かしながら
考える
デザインには技術だけでなく、論理的な思考が必要です。
桑沢が重視しているのは、「手を動かしながら考える」こと。
見慣れた、使い慣れたものを、
五感を使ってあらためて見つめ直すことで、
新たな発見や印象が生み出されると考えています。
「概念砕き」とは、「手を動かしながら考える」ことを
習慣づけることで、すべての先入観を解体し
発想力の転換を求めた言葉であり、桑沢の学生は
さまざまな課題を通してそれを学びます。
既成概念にとらわれずに対象を把握し、色や形の体系や
素材の可能性を探っていく。これが表現や発想の幅を
大きく広げ、デザインの基礎能力を養っていくのです。
「すぐにデザインの現場で役立つ技術」を教えてほしい。
こうしたニーズはどの時代にも存在し、
実際にそうした要求に応えて目先のテクニックの習得に
主軸を置く教育もあります。
しかしいきなり技術を教えることは、デザイナーとしての
未来に限界をつくる結果になりかねません。
小手先の技術を身につけるだけなら、数ヶ月あれば
可能かもしれませんが、その技術は数年も経たないうちに過去のものとなってしまうでしょう。
桑沢では、即効性だけを重視し、テクニックに力点を置く
教育の在り方を懸念しています。
私は、桑沢デザイン研究所を創立する際に、
「偏った技術教育はしない」と決意しました。
これからの長い将来に向け、デザインの基礎体力を強化し、
時代に左右されないデザインの根本的な力を身につける
教育を実践すると宣言したのです。
この考えは、デザイン・ツールが著しく進化した現代に
おいても、まったく古びていないと私たちは考えています。
むしろAIを駆使するなどアプリケーションの
変化が激しい現代こそ、デザインの基礎体力が
重要なのではないでしょうか。
デザインは「人の暮らしを豊かにするため」にあります。
時代がどう変わっても、社会に貢献できるデザインの
根本的な力を身につけること。これが桑沢の理念であり、
目指している教育です。
桑沢の理念的目標
未来に向かっての人間の精神的・物質的両面からの
要求に応える人材の育成
ここから桑沢のカリキュラムを説明します。
「専攻デザイン科(夜間部)」の理解をいただくために、
まずは「総合デザイン科(昼間部)」の
カリキュラム設計から説明します。
「デザインの基礎体力」や「デザインの原動力」を
培うためには、「最後の表現ではなく、その過程が重要」
であることを学ぶ必要があります。
総合デザイン科(昼間部)の
カリキュラムは
1年次では全員が共通の基礎を総合的に学び
2年次からは専門分野に分かれて知識・技術を身つけ
3年次にはデザインの問題解決に必要な
実践力を豊かに培っていきます
基礎から総合的に学ぶためには、
どうしても3年という修学期間が必要になります。
一般的な2年制のデザイン系専門学校と桑沢の違いが
ここにあります。
これが昼間部のカリキュラムです。
黒色の部分がすべての学生が共通して学ぶ科目群で、
白色が2年次以降に選択する4つの専攻分野です。
「デザイン学」はデザインに関わる教養科目で、
すべての学生が3年間かけてデザインをどう活かすのか
問題や探求テーマを見つけ出すために学びます。
「基礎造形」は色・形の体系や素材の可能性を探りながら、
表現や発想の幅を広げます。
「基礎デザイン」は4つの専門分野の入門科目を
経験することで視野を広げつつ、自分の適性を探ります。
これらを1年間かけて学んだ上で、2年次以降に
自分がどの専門分野に進むかを決めるのです。
つづいて夜間部のカリキュラムを見てみましょう。
夜間部は昼間部のカリキュラムを2年間に凝縮しています。
出願する段階で専攻を選択し、
入学時から2年間専門分野を一貫して効率的に学びます。
科目は大きく「講義」「基礎・技術」「デザイン」の
3つに分かれ、1年次から知識や技術の基礎と専門を
並行して学んでいくのが特徴です。
カリキュラムは専門性の高い内容ですが、
基礎に近い内容からより専門的な内容へと
段階を踏むことにより、着実に知識と技術が身につきます。
夜間部では昼間部のように1年間をかけて基礎を
総合的に学ぶことはできませんが、夜間部に集う学生は、
デザイン領域に限らない学びや業務経験など
多様なバックグランドをもっています。
こうしたさまざまな知識や経験をもつ学生同士が刺激を
受け合い、切磋琢磨を繰り返すことで生まれる、学びの
相乗効果が得られる環境は他では得がたいものです。
結果として卒業時の能力は3年間かけて学ぶ昼間部に
引けを取りません。
ただ昼間部と比べ時間に余裕がない分、おのずと
階段は急になり、各自の効率的な計画性も求められます。
そこで2021年度から、より学びやすいように
夜間部のカリキュラムを見直しました。
詳しくは、この後に続く QUESTION&ANSWER の
「Q2 働きながら通えますか?」をご覧ください。
一方で私たちは「夜間附帯教育」というコースも
用意しています。
総合デザイン科(昼間部)の「基礎造形」と
「基礎デザイン」をベースにしたプログラムで、
広く一般の方々に向けてデザインの基礎教育を
提供するとともに、専攻デザイン科(夜間部)の
カリキュラムを補うために設置したものです。
夜間附帯教育と専攻デザイン科(夜間部)を
組み合わせると、総合デザイン科(昼間部)に
近い学びを得ることができます。
もしいきなり2年間のコースに飛び込むのが不安な場合は、
夜間附帯教育から始めてみる、という方法もあります。
ここまでが桑沢デザイン研究所と
専攻デザイン科(夜間部)のご説明となります。
この後に続く「QUESTION&ANSWER」では、
入学に際しての疑問や不安にお答えしています。
ここからは、入学を検討されている方から多く寄せられる
疑問や不安に答えていきます。
まずは皆さんから多く寄せられる質問に、
桑沢の夜間部の卒業生と在校生に答えてもらいましょう。
このインタビューでは、
桑沢でデザインを学ぶことを決断した経緯から、
学びや友人たちとのエピソード、卒業後のキャリアに加えて、
これから桑沢でデザインを学ぼうと考えている方への
心強いアドバイスも込められています。
続いて、入学を検討されている方がたから多く寄せられる
疑問や不安について、具体的にお答えしていきます。
デザインの教育を
受けたことが無くても大丈夫ですか?
特に専攻デザイン科(夜間部)では、文系理系を問わず
様々なバックグラウンドを持つ方が学んでいます。
過去三年間に桑沢に入学された方の、出身校と出身学部を
ピックアップしたものがこちらです。
もちろんこれらの学校を卒業後に、社会人として
業務を経験した後に入学される方も多くいます。
〈桑沢〉を受験するにあたり、自分に合った方法で対策を行っているようです。
※在籍・卒業などのステータスや、学科・専攻(コース)名は、取材時のものです。
専攻デザイン科2年 ビジュアルデザイン専攻
飛川七瀬
専攻デザイン科2年 プロダクトデザイン専攻
矢野優奈
専攻デザイン科 ビジュアルデザイン専攻 2018年卒業
中村 詩央合 / グラフィックデザイナー
働きながら通えますか?
働きながら通われている方もいらっしゃいますが、
それなりのご苦労もあるようです。
ご苦労やエピソードは卒業生/ 在校生インタビュー動画でも語られているとおり。
しかし2021年度からはカリキュラムが若干変更されて
通いやすくなりました。
専門課程にふさわしい「教育水準の高さ」を維持しながら、
働きながら学びたいというニーズにも応えるべく、教育内容を精査し、授業進行を工夫しています。
デザイン専攻科 ビジュアルデザインコース 2年
大森 茜
デザイン専攻科 ビジュアルデザインコース 2007年卒業
吉田昌平 / アートディレクター
デザイン専攻科 プロダクトデザインコース 2年
野月俊典
デザイン専攻科 ファッションデザインコース 2007年卒業
井上 彩 / テキスタイル素材開発
何歳ぐらいの人が入学しているのですか?
20代後半で入学してくる人も多いです。年齢も違いますし、働きながら学んでいる人もいるのでそれぞれですが、
努力次第で就職・転職について希望を叶える人も
少なくないです。
桑沢は課題が多くて大変だと聞きました
学外からはそういう声を聞きますが、2年間で凝縮して学び、
デザインの基礎体力と原動力を養うことは
簡単なことではありません。
そのために必要と考える課題を用意しています。
実際のところ、社会に出てデザインを仕事にすれば、
在学中の課題よりもハードな課題が会社や取引先から
課せられますし、桑沢の卒業生の皆さんがそうした環境にも
取り組んでいける素養を養ったお陰で、産業界からの
大きな信頼を桑沢が得られているのだと思います。
専攻デザイン科 ビジュアルデザイン専攻
2015年卒業 中村 詩央合 / グラフィックデザイナー
専攻デザイン科1年 ファッションデザイン専攻
片野坂桃子
就職できるか不安です
就職の機会を増やすために様々なサポートをしています。
キャリアカウンセリングや就職セミナーなど、夜間部生にも昼間部生と同様の就職サポートを行っています。
企業からの求人は、夜間部・昼間部の区分けはなく、
桑沢に届いた求人票は学外からもインターネットで
検索・閲覧することができます。卒業後の閲覧も可能です。
また、例年、70社以上の求人企業が、学内での説明会を
実施しています。
2階の事務室に併設する就職コーナーでは、
会社資料や就職関連図書の他に、先輩のポートフォリオや
内定者の活動記録を閲覧することができます。
学費のサポートはありますか?
学費は、昼間部のほぼ半額ではありますが、
日本学生支援機構の奨学金が利用可能で、
当校独自の奨学金も用意しています。
学校の雰囲気はどんな感じですか?
様々なバックグラウンドを持つ学生が集う夜間部は、濃密な
カリキュラムをこなしながら、学生同士が時には助け合い、
また時には切磋琢磨をする刺激に満ちた空間です。
専攻デザイン科2年 スペースデザイン専攻
金谷百花
専攻デザイン科 プロダクトデザイン専攻
2013年卒業 稲葉太郎 / プロダクトデザイナー
専攻デザイン科 ビジュアルデザイン専攻
2013年卒業 佐藤豊 / グラフィックデザイナー
専攻デザイン科2年 ビジュアルデザイン専攻
朴 華子
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